1章について
1章では、電力の小売り自由化後、どういうメカニズムで電力が供給されるのかを知ってもらう必要がありました。そうしないと、消費者として電源を選択するとはどういうことなのかわかりません。
しかし、そのメカニズムはとても複雑です。わかりやすく説明するのがとても大きな課題でした。なぜ託送料が必要なのかも含め、複雑なメカニズムをわかってもらえるのか、著者としてはとても不安です。最初からこんなに難しい問題について書いているので、読者がすぐに投げ出してしまう心配もあります。
ただ、電力から入らないことにはどうしようもありません。電力自由化の複雑なメカニズムを最初にもってくるのは、避けて通れませんでした。
もう一つの重点は、グリーン電力を普及させる重要なポイントが市民発電ではないということです。市民が発電しても、発電された電力が公共の送電網に入ってしまうと、電源を区別するのが難しくなります。
ドイツのシェーナウなどの事例が、市民電力会社として日本で伝えられていると思います。でもぼくは日本では、そのポイントが市民による発電ではなく、配電であることがしっかり理解されていないのではないかと思います。その点について、はっきり知ってもらうためにドイツのフェルトハイムとシェーナウのことを入れました。
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2017年3月20日、まさお
Comments
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確かに完全自動化やメンテナンスフリーはかなり先のことだと思います。この記事のコンテクトは風力発電の安全の一方,最近の AI のブームのようなものに乗って資金を獲得するというところもあると思います。
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なるほど。できれば地域分散型でメンテナンスも安全なものがあればいいですが。
AI 関係は画像認識能力が上がったこともあって,そのアプリケーションを探している人達がいます。以下のように私の会社の製品を使って原発のヒビ割れをロボットでみつけるというような研究もあります。ただ,この方式には大量の学習データ,それもできればシミュレーションではなくて実際のものが必要です。そうすると,1. どこからそんなに欠陥のある原子炉をみつけるのか。2. それともそれほど欠陥が実際にあるのか。欠陥があまりないなら 1 は難しく,そうでなく,実は 2 と欠陥がすごいある。としたらどちらもあまり良い感じがしません。
まあ,AI 研究で予算をとりたいという印象があります。(今私の会社は会社の戦略として,私達の製品で AI 研究をする人達に協力的です。)
日本では、風力発電が少なすぎる (コメント)
洋上発電が大型投資され,市民にエネルギーを取り戻すという意味では問題があることはそう思います。もう一つの問題点,メンテナンス作業員の安全については,メンテナンス作業をするロボット開発の以下の記事を以前読みました。
http://www.manchester.ac.uk/discover/news/artificial-intelligence-and-robots-to-make-offshore-windfarms-safer-and-cheaper/