発電において脱炭素化するには時間がかかる

まさお:これまで、二酸化炭素など温室効果ガスを排出するする部門を洗い出してきた。これからは、部門毎にどうすれば二酸化炭素の排出を減らすことができるのか。それを考えてみよう。
 まず、どの部門からはじめようか。

ハナコ:やはり、一番排出量の多い部門からはじめるのがいいと思うわ。

タロウ:賛成。ぼくもそう思う。

ま:ということは、どの部門だ。

タ:発電だよね。

ま:よし、発電からはじめることにしよう。
 ぼくたちがこれまで利用してきた発電方法を知っているかな。

ハ:水力発電でしょう。火力発電。それに、原子力発電もかな。

タ:ガス発電もあるよね。
 ああ、いけない。太陽光発電、風力発電を忘れるところだった。

ハ:揚水発電というのもなかった?

タ:そうだ。そうだ。それはでも、水力発電に入れてもいいのではないかな。

ま:揚水発電とは、どういう発電方法だろう?

タ:余った電力で水を高い位置にある池に移して、電気が足りない時に水を下に流して発電するんではなかった。

ま:そうだ。エネルギーを蓄えておく一つの方法だな。
 二人とも、よく知っているね。これで、だいたいの発電方法は挙がったかな。
 それではこれらの発電方法のうち、二酸化炭素などの温室効果ガスが排出しているのはどれだろう?

ドイツ西部にある石炭型火力発電所。1基(左)は脱石炭の枠内で、すでに停止されている。煙突から煙がでているほうは、まだ稼働中だ

ハ:それはもちろん、火力発電でしょ!

タ:ハナコ、そうだけどさあ。でも火力発電では、一般的すぎないか。

ハ:タロウは、石炭とか石油とかいいたいのよね。それから、天然ガスもあるよね。

ま:ハナコはいっきに、化石燃料をすべて挙げてしまったね。

タ:でもドイツでは、石油ではほとんど発電しないよね。日本ではしているけど。

ま:そうだな。タロウもよく知っているぞ。
 ということは、どうしろということなのかな?

ハ:それは、ハナコがはっきりといいますよ。
 石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料で、発電しないようにしなければならないということよ。そうでしょう。脱炭素化しないとダメなのよ。

タ:ハナコ、それはよくわかるんだよ。でもねえ、すぐに火力発電を止めても、その代わりにその分の電気を十分に発電できないと困るよね。そんなことはすぐには、無理だよ。できないよ。

ま:タロウは、いいところに気づいたね。
 そうなんだ。たとえ化石燃料を使う火力発電を止めて脱炭素化しても、それに代わって十分に電気を発電できるようにしないと、電気が足りなくなる。それでは、社会も経済も成り立たない。
 そうならないようにするには、火力発電を時間をかけて少しずつ段階的に止めて、その代わりになる発電方法を増やしていくしかないのだよ。

ハ:なるほどね。それはそうだわね。
 わかったから、今日はここまでにして。

ま:本当は、火力発電に代わる発電方法まで話したかったけど、それは次までの宿題にしよう。
 二人とも考えておいてくれよ。

ハ+タ:わかった。

2023年7月10日、まさお

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関連サイト:
温室効果ガスの現状等(日本経済産業省)

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