早いテンポで進む技術革新

 産業が発展して新しい技術が出てくるにしたがい、その技術を真似たり、さらに新しい技術が開発される。新しい技術は新しい販売方法や、新しい資源も必要とする。それとともに技術開発における競争が激しくなり、経済競争と資源獲得競争も激化する。

 現在、そのテンポが凄まじい勢いで早くなっていると思う。そこで勝てないと、生き残れない。だから、次から次へ新しい技術、新しいビジネスが登場する。だから、みんな技術革新を求めて目一杯走るしかない。

 そこでは、銀行が技術革新に資金を援助して儲ける。それによって、資金を提供する投資家が儲けて資本を拡大させる。その結果、貧富の差がより拡大する。

 デジタル化で、資本取引もすごいテンポで行われる。パソコンのキーボードを押すだけで、莫大な利益を得ることができる。

 これが今の資本主義の構図だといえば、それまでだ。

 でも、これだけでは資本主義の上っ面しか見ていないと思う。末端で働く労働者と技術を使う消費者のことが考えられていないからだ。

 経済さえ順調に成長すれば、労働者は豊かに生活できるというのは過去の論理だ。というのは、経済成長を支えて働くのはもう必ずしも労働者ではないからだ。自動化が進めば、経済を支えて働くのは機械であり、ロボットだ。

 労働者が働く術を失うと、稼ぐ道がない。物品も買えなくなる。過去の経済論理を信じたままでいては、労働者はまもなく物品を買って生活できなくなる。経済的に活動して賃金を得ることで経済に参加できる労働者が、目減りしていくのが目に見えている。

 こうしてぼくたちは、技術革新が進めば進むほど経済活動に必要ない労働者が増えるというジレンマの中で生きていかなければならなくなる。

 高齢化した社会においては、技術革新が役に立つとは限らない。高齢者は、ハイテク化した技術についていくことができない。本来、使いやすい技術を追及しなければならないはずだ。だが、競争では早く成果をもたらすことが求められる。そのため、技術の使いやすさは優先されない。

 こうして、ハイテク技術についていけない市民も技術の進展する社会から取り残されていく。

 ぼくたちは今、この二分化の進む時代に生きている。

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