日本の新しい若者たち

 ぼくがドイツの戦後70年をテーマにして日本の若者たちと対話したいと思ったのは、市民同士の対話が社会を変えていく上でとても大切だと思うからです。日本人はすでに述べたように、対話が苦手です。でも、東ドイツの民主化運動を目の当たりに見てきた経験から、ぼくは対話が必要だと実感しています。

 東ドイツでは当時、それまで全く面識のなかった市民同士が集まって東ドイツという国の将来について対話をはじめました。東ドイツの政治が変わらない限り、社会と自分の生活は変わらない。市民には切実な思いがありました。対話に集まる市民の中には、秘密警察「シュタージ」の協力者が紛れ込んでいる危険もありました。協力者が密告すれば、国家の危険人物として拘束されるばかりか、家族一人一人が秘密警察に監視され、社会から迫害されました。それにも関わらず、市民たちは東ドイツの将来について語り合ったのです。そして、市民が一人一人立ち上がりました。東ドイツの「革命」は、こうして起こりました。これも、一つのマイクロプロセスです。

 ぼくはこの経験から、今の日本にも対話によって日本について考えることがとても大切だと思っています。SEALDsを見ても、新しい動き、新しい若者たちが出てきました。ぼくは、若い人たちと対話したいと思いました。

 横浜のフェリス女学院大学において学生さんたちと対話した体験は、とても印象深いものでした。対話の後、学生さんたちが感想文を提出してくれました。担当の先生と学生さんたちの許可を得て、それを以下に抜粋しておきます。

 ドイツの戦後70年をテーマにした社会の問題がどう受け止められ、感想という小さな声がこれからどういうプロセスを経て学生さんの中で育まれていくのか。これも、社会に働きかける一つのマイクロプロセスだと思います。

(ベルリン@対話工房サイトから引用)
フェリス女学院の女子大生さんたちの感想は、ここをクリック

(2018年2月09日、まさお)

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