1日1回はじっくり眠る。週1回は休む。年1回は十分な休暇をとる。休むことは、いつも同じテンポで続く日常性に変化をもたらし、生活にリズムを与えてくれます。そのリズムが、新たな元気の源になります。
日本のように、コンビニが365日、24時間利用できるのは、便利には違いありません。ただその便利さ故に、常に同じ日常が続いてはいないでしょうか。
ドイツには、日本のコンビニのような便利さはありません。でも、そのほうが逆に生活にゆとりがあり、豊かなように感じます。日本では、その便利さから大切なことを失っているような気がしてなりません。
スリープ機能やスタンバイ機能についても、同じことがいえると思います。確かに、家電製品やパソコンにスリープ機能やスタンバイ機能があるのは、たいへん便利です。ただその便利さ故に、いつも早いテンポで、急かされながら生活することを余儀なくされてはいないでしょうか。
日本で一般化している温水洗浄便座にも、どことなく違和感を持ちます。セントラルヒーティングのない日本では、トイレが暖房されていないので便座を暖房するのはわかります。でも、温水洗浄や乾燥は手動でもできます。すべて自動でスタンバイさせておく必要はありません。トイレのドアを開けると、便座の蓋が自動的に上がるのを見たことがあります。でも障害者や高齢者でもない限り、本当にそういう機能は必要でしょうか。
都市と同じように、ぼくたちも休む必要があります。それによって、生活に変化とリズムが生まれます。それが、持続性、耐久性をもたらしてくれます。必要ない時には、スリープ機能やスタンバイ機能を切ってしまう勇気も必要です。
それは、エネルギーを使うか、使わないかを自分で選択することでもあります。そして、エネルギーを使わずに自分を休ませます。
(2017年3月28日掲載)
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