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木の立ち並ぶティーアガルテン |
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もう一つ都市にとって重要な要素が、大きな木です。金沢の兼六公園の林のように、大きな木があれば陰ができます。陰の下は涼しいのです。
ベルリンの中心には、ティーアガルテン(Tiergarten)という大きな公園があります。その他にも、公園がいくつもあります。公園には大きな木が立ち並び、陰がたくさんあります。だから、公園の中は涼しくなります。
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ベルリン市内の道路は、大きな木に包まれている |
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ベルリンでは道路の両側に、ボタイジュなどの大きな木が並んでいます。晩秋になると、落葉してその落ち葉が歩道一杯にジュウタンを敷いたように広がります。その清掃もたいへんです。でも大きな木の陰によって都市を冷やすほうが、エネルギーを使って都市を冷やすよりも効果的です。木は、二酸化炭素も吸収してくれます。
落ち葉は回収後、燃料として燃やすか、コンポスト化して公園などの樹木の肥料として使います。
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緑に囲まれたドイツ首相府の一角 |
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屋根を緑化する建物も、増えてきました。たとえば写真は、ドイツ政府の首相府です。首相府はたくさんの木に包まれ、建物の外壁や支柱、屋根にはつる植物が一面に伸びています。
2015年の夏、ぼくは東京にいました。東京駅八重洲口が緑化されているのを見て、いいことだなあと思いました。八重洲口周辺で休みを取っている市民が、あちこちに見られます。そこからさらに日本橋の方向に歩き、中央通りにある日本橋三越までいきました。でも中央通りのような大きな道路には、木がありません。脇道に入ると、ビルの谷間に小さな木が並んでいました。木は、きれいに手入れがされています。ビルの谷間の光の当らないところに植えてあるので、どことなく申し訳なさそうで、元気がありません。
どうして、木が申し訳程度にしか植えられていないのでしょうか。元々光の当らないビルの谷間に植樹しても、意味がありません。植えるなら太陽の光が届く中央通りです。中央通りに陰をつくって、街を冷やします。
(2017年3月27日掲載)
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