2018年5月29日掲載 − 脱原発
中間貯蔵が長期化する

ドイツで中間貯蔵が乾式貯蔵になっているのは、前の記事で説明した。


乾式貯蔵では、使用済み核燃料を輸送・保管容器(キャスク)に入れて保管しておくこと自体が、中間貯蔵の安全を担保している。キャスクを保管する倉庫は自然換気で、建物自体は密封されていない。キャスクが放射性物質の飛散を防ぐ最も重要な要素になっている。


ドイツの場合、中間貯蔵施設とキャスクの運転期間は40年に制限されている。ケー二ヒ最終処分庁長官によると、これは政治判断で、技術的な問題からではないとする。


この中間貯蔵40年を基盤にして、ドイツでは今のところ、最終処分地を2031年までに決定すればいいことになっている。これは、最初に運転期間40年に達する中間貯蔵施設がゴアレーベンの中間貯蔵施設で、その運転期間が2034年までとなっているからだ。各原発サイトに設置された中間貯蔵施設は、その後2040年代に入って、順次運転期間が40年に達する予定だ。


ただ問題は、最終処分地の選定が予定通りに進むとは予想されないことだ。ドイツは、最終処分地の選定を住民参加で行なうことを法的に規定しているが[1]、その選定が難航することが十分に予想される。


そうなると、最終処分場がないまま、許可された中間貯蔵施設の運転期間が切れてしまうことになる。ケーニヒ長官が中間貯蔵施設の許可期間が政治判断で、技術的なものではないと発言しているのは、この問題を考えてのことだと思えてならない。技術的に問題ないなら、中間貯蔵施設の運転を簡単な手続きで延長できるからだ。


もう一つ中間貯蔵が長くなる要因は、使用済み核燃料を地下地層に最終処分する場合、使用済み核燃料を搬入する縦坑道が一つしかないことだ。ドイツでは現在、使用済み核燃料を保管するキャスクが最高1900基必要だと推定されている。これをさらに最終処分用の容器に移し替えて最終処分地に搬入されるが、現在のところ最終処分用の容器がどういうものになるかは、まだ決まっていない。


これは、最終処分方法の変更で、最終処分後使用済み核燃料を500年の間掘り起こす可能性を残しておかなければならなくなったからだ。ドイツは、そのための容器を再開発しなければならない。ただ、500年間も耐久性のある容器を開発できるのかどうか、はなはだ疑問だ。


また、最終処分容器の安全な搬入を考えると、1日に何基もの容器を搬入できるとは考えられない。そうなると、最終処分地に使用済み燃料を搬入するにも、たいへん長い年月がかかることが予想される。


これらの状況を考えると、中間貯蔵期間が40年どころか長期化することは避けられない。現在中年世代以降の人にとって、死ぬまでに中間貯蔵が終わっている可能性はなく、中間貯蔵は最終処分のようなものだということになる。


[1] 筆者の拙文、「最終処分地を住民参加で決める、ーー模索してきたドイツの試み」、岩波書店、雑誌「世界」2017年11月号を参照


(2018年5月29日)
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