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2018年5月12日掲載 − 脱原発
中間貯蔵を乾式には、どうなったのか?

原子炉の圧力容器に入った核燃料棒(正確には燃料棒の集合体)は、だいたい年に1回の割合でその3分の1が交換される。取り出された使用済み燃料は圧力容器近くにある貯蔵プールに入れて冷やされる。貯蔵プールが一杯になると、使用済み燃料を輸送容器(キャスク)に入れて中間貯蔵施設に運んで保管される。中間貯蔵施設は発電所外に設置されることもあれば、ドイツのように発電所内に設置されることもある。


貯蔵プールが一杯だと、原子炉の燃料交換ができないので、貯蔵プールから冷えた使用済み燃料を定期的に取り出して空きスペースを設けないと、原子炉を継続して運転することができない。その意味も、中間貯蔵施設は原発の一部といってもいい。


中間貯蔵施設はそのためにも必要だが、中間貯蔵施設は使用済み燃料が再処理ないし最終処分されるまで、そこで冷やして次の工程を待つという意味でもとても重要な役割を持っている。


問題は、中間貯蔵施設ではどうやって使用済み燃料が保管されるかだ。ドイツでは、使用済み燃料を輸送・保管容器(キャスク)に入れたまま大きな「倉庫」で保管される。倉庫内は自然換気だが、低圧にしてあり、倉庫内の空気が外にでないにようになっている。これは、倉庫内の空気に放射性物質が含まれていても、その放射性物質が外に出ないようにするためだ。この方式は、乾式貯蔵といわれる。


それに対して、中間貯蔵施設においても貯蔵プールと同じように使用済み燃料を輸送容器から取り出してプールで保管する方法もある。この方式は湿式貯蔵といわれるが、要はプール貯蔵ということだ。


よりによって、地震国の日本では中間貯蔵は後者の湿式貯蔵が主流で、使用済み燃料がプールに保管されている。地震でプールに亀裂でも入ったらどうするのか。その対策は、十分に考えられていないといっていい。


東電福一原発事故で貯蔵プールが問題になったことから、原子力規制委員会の田中委員長が中間貯蔵は乾式のほうがいいとするなど、この問題は日本でも問題になったはずだ。2013年には、青森県むつ市に乾式貯蔵する燃料貯蔵建屋が完成したはずだが、その運用はどうなったのだろうか。


福一原発事故からもう7年。中間貯蔵を乾式にする話はもうあまり聞かなくなった。問題視されることもあまり聞かなくなった。


現在日本でプールに中間貯蔵されている使用済み燃料は、仮設でもいいので、できるだけ早くキャスクに入れて乾式で保管してほしい。地震国日本では、そのほうがより安全なはずだ。


(2018年5月12日)
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