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2018年6月11日更新 − 再生可能エネルギー
ドイツのFIT制度、入札で競争論理を取り入れ:
(4)落札した市民発電の事例

ドイツ北東部メクレンブルク・フォアポムメルン州の州都シュヴェリーンから車で南に30分ほど走ったところに、ヴェブベリーン村がある。住民911人の小さな村だ。アスマラ栽培など農業以外に、特にこれといった産業はない。


市民ソーラー
市民ソーラーパネル
村長
ヴィオラ・トン村長

村長は2012年、太陽の光と風しか資源のない村で、何か村おこしができないかと、考えはじめた。まず村の街灯のLED化を開始し、村を再生可能エネルギー化するため、協力者を求めていた。


2013年、再生可能エネルギーに特化した電力会社、自然エネルギー社(Naturstrom)とコンタクトをとる。自然エネルギー社は、市民出資によって設立されている企業だ。


まず、ソーラーパネルを設置して発電することからはじめた。そのため、村の住民を中心に出資者を募集し、12人集めた。村長によると、住民側に未知なことに出資することに対する不安や躊躇はなかったという。それで、村の住民出資者と自然エネルギー社が協同で有限会社を設立した。住民側と自然エネルギー社の持ち株は、半々とした。


2015年、村に出力912kWpのソーラーパネルを設置した。これは、平均的に電気を消費する世帯、約250世帯に電気を供給できる容量に相当する。発電された電気は、固定価格買い取り制度に基づいて売電される。


2016年、村が村民と自然エネルギー社で協同設立した会社に出資して参加することを決定。ただ、2017年からはじまる陸上風力発電の入札に市民発電団体として応札するため、風力発電に特化した子会社を設立し、2017年5月の入札に応札した。


応札に必要な技術的な分析は、すべて自然エネルギー社が行い、応札用に鑑定書を作成した。3MWないし4MWの風車を4基設置することで計画案を立案し、落札した。


この時、村のある送電網整備地域における市民発電のための落札額は一律5.58セント/kW/h(7.3円)で、2017年はじめの買取り固定価格8.38セント/kW/h(11円)からするとかなり低額だ。しかし、まだ市場に出ていないが、新機種風車を採用すれば採算性があると見ている。


プロジェクトは2021年までに実現しないといけないが、まず2018年中に許認可の申請を行なう予定。


これからの一番の問題は、発電施設設置に必要な資金約2000万ユーロ(約26億円)をどう集めるかだ。万一集まらなかった場合は、自然エネルギー社にその建設権が譲渡される予定となっている。


今後は、村に電気自動車の充電ステーションを設置するほか、村の熱供給を再生可能エネルギー化し、地元で発電した電気も地元で消費することを計画しているという。


(2018年6月09日)


ドイツのFIT制度、入札で競争論理を取り入れ
(1)改正の概要 (2018年5月31日)
(2)陸上風力発電の状況 (2018年6月02日)
(3)市民発電はどうなるのか? (2018年6月04日)
(5)太陽光発電の状況 (2018年6月11日)
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