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2017年12月25日掲載 − 再生可能エネルギー
都市電力公社もバイオガス発電

ドイツには、歴史的に都市や地方に「シュタットヴェルケ」という公営の電力公社が設置されている。一部は民営化されているが、民営化の波は終わり、民営化から逆に再公営化する動きもある。


電力市場の自由化で、電力市場が再編されて大手電力会社がより巨大化する傾向がある中で、シュタットヴェルケは地元で発電とガス供給、熱供給、さらにエネルギー供給の地域統合システム化に進出するなど、大手とは違う特色を出して市場競争で生き残ろうとしている。また一部のシュタットヴェルケは、バスやトラム、電車など都市の公共交通も担当している。


再生可能エネルギー化を進めるドイツにおいては、特にシュタットヴェルケが重要な役割を果たしている。ドイツでは再生可能エネルギーの利用を促進するため、再生可能エネルギー法によって再生可能エネルギーによる電力やガスが市場価格よりも高い価格で買い取られるが、シュタットヴェルケはその価格の安定性を利用してビジネスを展開し、再生可能エネルギー化に大きく貢献している。


たとえば筆者が取材したドイツ北東部の都市シュヴェリーンのシュタットヴェルケでは、2007年からバイオガス発電と熱供給をしている。地元周辺の農家の協力を得て、プラント敷地内で家畜の糞とトウモロコシやライ麦のサイレージ(茎や葉を破砕したもの)を発酵させる。それによって発生するメタンガスをコジェネレーションシムテムに供給して、電力と熱の供給を行なっている。


サイレージ
トウモロコシやライ麦のサイレージが発酵タンクに運ばれる

電力は主にピーク電力供給用に使われ、熱は産業用、家庭の給湯、暖房用に使われる(発電容量:約2800MW、熱供給出力:約2900MW)。


バイオガス電力は当初、変動の大きい再生可能エネルギー発電においてとても貴重なベース電力源とされていた。だが現在はそうではなく、ピーク電力を供給する電力とされるようになった。それは、ガス発電が電力需要の変動に早く対応しやすいのと、ピーク電力として供給したほうが比較的高い発電コストをカバーしやすいからだ。


電力を供給しない時はバイオガスを貯蔵するほか、熱の需要が少ない時のために、熱貯蔵タンクも併設してある。


またシュヴェリーン・シュタットヴェルケでは、来年2018年から地下ボーリングを行なって、地熱を熱供給に利用する試験を開始するという。


(2011年12月25日、ふくもと   まさお)
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