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再生可能エネルギーによる発電量が増えて、電気が安定供給されない心配はないのか?
再生可能エネルギーQ&A

再生可能エネルギーで発電された電気が常に供給されている保証はないと書きました。しかし現在は、その他にも水力発電や火力発電、原子力発電があるので全体として電気の需要が満たされています。


電気を送電する送電網は、その電気の量が少なすぎても、多すぎても送電をストップしてしまいます。そのため、送電量は常に均衡が保たれていなければなりません。


つまり、電気を安定して供給するには、電気の需要を満たすほか、送電網の均衡も維持されなればならないという二重の課題があります。そうしないと、安定供給は保証されません。


石炭火力発電と原子力発電は、常に一定の電気を供給するのを得意としています。しかし、電気の需要に応じて発電量を調整するのは苦手です。ですから、常に必要とされる電気を供給します。だから、ベースロード電源といわれます。


石炭火力発電と原子力発電のような大型発電所はまた、定期的に停止して検査や修理を行います。その時に不足する電気をカバーするため、それをリザーブしておく発電所が必要になります。福島県での原発事故後にほとんどの原子力発電所が停止されても停電しないのは、日本にはこのリザーブ発電所がたくさんあるからです。


それに対して、ガス発電はガスの供給量を調整して発電量を変化させやすいので、電気の需要の変化に柔軟に対応できます。


これでわかるように、発電方法それぞれには長所と短所があり、それぞれがカバーし合いながら安定供給しています。すべての発電所が常に発電して電気を供給しているわけではありません。


ですから、変動の大きい再生可能エネルギーが増えても、停電することはありません。


まず、このことを知ってもらいたいと思います。それから、再生可能エネルギーへ転換していく方策について入っていきたいと思います。


(2018年7月11日)

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